意味・情報


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意味と情報ではどちらが先に生まれたか。
意味のない情報と情報のない意味とでは、 どちらがあり得そうか。

意味を汲み取れない情報であればありふれている。
科学だって、そこここに溢れている情報への意味付けの行為だと言えるだろう。
そういう意味では、いつからか情報が先に存在していて、 そこから意味を作り出しているのかもしれない。
# 表面的な意味を情報から取り除く行為を暗号化と呼ぶとすると、 # 科学は復号化か。

有史以来、人間が情報の糸から意味を紡いできたのだとすれば、 いや、情報の糸から意味を紡ぐことをもって有史を位置づけるならば、 思考とはなんと贅沢な行為であろうか。
先人の築き上げた果てしない広さと高さをもった楼閣の上で、 時にそれが砂であるという不安にかられつつも、 一先ず耽ることができる。
情報の海で最初にできた意味はどんなものだったろう。
# なんとなく、国語の教科書で読んだ雪の話を思い出す。
# 積もった雪を最初に支えた雪の結晶を見てみたい、みたいな # 話で、いわさきちひろの挿絵だったと思う。

個もまた意味付けされることで生まれる実体だとすれば、 情報から個を形成することが主体的にも客体的にも起こりうる。
# 用語が違っているかもしれないが、つまり、多重人格のように # 別の個を持つこともできるし、ある一連の情報を観測して # そこに個を錯覚することもできると言いたい。

人が動かず、情報とものだけが動く世界における個とは。
完全に情報の中だけに生きる個という幻想は実現し得るのか。