美しい/きれい


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「美しい」は加法的、「きれい」は減法的である。

つまり、何かが足されることで特徴が際立ち、 よく感じられるのが「美しい」であり、 必要十分なまでにパラメータが整理されている状態が 「きれい」である。

いずれも判断基準が絡むため主観的な形容であるが、 「きれい」の方がより客観に近いように感じられる。

きれいな部屋、きれいな数式、きれいな顔。
パラメータが少なすぎてのっぺらぼうになるのは違うが、 対称性の高さ等を利用してより少ないパラメータで表せるものが きれいな顔だろう。

この部屋をきれいにして下さい、という要望にはある程度の 想定ができるが、この部屋を美しくして下さい、という要望に対して 一般解を設定するのは非常に難しいと思う。

さて、美しい夜景ときれいな夜景とでは受け手のニュアンスが どう異なっているだろうか。

2016-07-02 追記
つまり、「美しい」が在の認識に基づく評価だとすれば、 「きれい」は不在の認識に基づくそれである。