プロトコルと実装
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通信において、使用するプロトコルに多様性がある場合と、
送信前、受信後の処理に多様性がある場合とがある。
言語の場合、これは言語観や認識論にもよるが、
プロトコルの多様性の方が処理の多様性よりも大きい気がする。
「赤」に相当する単語によって伝わる内容にはかなりの幅が
あるものの、異なる言語間でも共通する概念が多く見られ、
それを概念として送受信することができる。
むしろ、処理が共通していることが大事で、見かけのプロトコルの差異は
あまり重要でないのかもしれない。
数学の場合、プロトコルは可能な限り単一のものになるように
調整されているが、その単一のプロトコルを使って
幾何学や代数学等、いろいろな処理が行えるようになっている。
これは、言葉を見ることや聞くことができないのとは大きく違う。
(文字を見たり、声を聞くという意味ではなく、言葉自体を光のように
見ることができないという意味である)
だからこそ、アティヤ=シンガーの指数定理のような、
解析学と幾何学という異なった処理系の共通点を示す定理が
重要だと考えられるのだろう。
少なくともバベルの塔の話が成立した当時から、言語に用いるプロトコルを
ユニークにしたいという願望は存在しているが、それが実現した記録は残っていない。
プロトコルと内部処理の両方の多様性が低い状況では、
全体としても拡がりの小さい、こぢんまりとした集合になってしまうだろうか。