もったいない?


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「京大出て専業主婦なんてもったいない」と言う人は、じゃあわたしが何をすれば許してくれるのか

数日前に話題になったらしいエントリィ。
家事が「サイコーにクリエイティブ」かどうかについては肯定も否定も しないが、そんなこととは無関係に、最も重要なのは

わたしは、京大に、勉強をしに行っただけだ。

という箇所だと思う。
これは大学、というかすべての教育機関あるいは教育という行為そのものの 行き着く究極である。ただ知識を欲するがために知識を得る。

仕事をするしないなんてどちらでもよい。勤労の美徳というものは、仕事を することがよいことだという正義を掲げないと人間社会が成立しなかった 時代の名残に、いつかなっていく。

就職するためだけに必要以上に多くの人間が22歳まで高等教育機関に 所属している現状ははっきり言って異常だ。
仕事が機械化されることを危惧する向きが多いが、自動運転と同じで 人間がやる方が様々な点で悪いという状況になるのは時間の問題だ。
しかもそれはそう遠くない未来に実現し得るし、一番のボトルネックは 人間側の仕事を手放したくないというこだわりだ。

そういう時代が来たとき、現状に慣れ親しんだ多くの人間はあまりの やることのなさに、自我が崩れていく可能性すら有り得ると思う。
若年性認知症の蔓延だ。
それはもはや意識を実装しなくても生き残れる程に人間が発達したという ことなのかもしれない。
その時代において、意識を保ち続けるためのおそらく唯一の方法が、 常に新しい情報に触れ、新しい意味を構築していくような行為だと思う。
生命体としての三大欲求は睡眠欲、食欲、性欲だが、その上に実装された 意識を維持するためにはさらに知識欲が不可欠に違いない。