好奇心


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好奇心とは、通信できる差異を望むことである。

自分と全く同じ抽象をする対象との通信には 差異がなく、抽象特性の変化を引き起こさない。
逆に、全く違う抽象をする対象との間には通信 プロトコルがないため、そもそも通信できない。
通信できる程度の共通部分を有し、かつ、抽象 特性の変化を生じ得る程度の差異を有する対象が 他者であり、それを求めるのが好奇心である。

他者は他者であることによって不可避的に私と物語を 部分的に共有しており、つねに完全な他者では有り得ず、 不完全な他者となる。
An At a NOA 2016-05-29 “心という難問

抽象特性の可変性を高く保つことで、入力される 情報の変化に対応できる状態を維持することが、 心理的身体を実装していることの最大の利点である。
おそらく、答えることよりも問うことが大事に 思われるのは、答えは抽象特性の変化なしに行える のに対し、問いは抽象特性の変化の兆しになるから だと思われる。

抽象特性の変化を拒み、思考を固定化することは、 好奇心の減退、心理的身体の機能不全、意識の死 であると言える。
願わくは、物理的身体が機能停止するまで、 好奇心が続きますように。