氷河
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2年ぶりに田舎を訪れる。
変化しないようでいてゆっくりと静かに変化
している様は、さながら氷河のようである。
田舎が氷河なのであれば、都市は河川である。
いずれも自らの重さによって流動する点では
同じであるが、結合の強さの違いが速度差を
もたらす。
その結合は、ポジティヴに評価されるときは
つながりと呼ばれ、ネガティヴに評価される
ときはしがらみと呼ばれる。
結合の強さはつまり、判断基準の強固さの現れ
なのだろう。
氷河と河川のどちらがよいというわけではなく、
ただそれぞれの在り方があるだけである。
そのバランスが崩れることは、地球温暖化や
氷河期のように「異常」と認識されるだろうが、
それもまた、ある時代、ある集団の固定化した
視座がもたらす「正常」があってこそのものに
過ぎないことは、念頭に置くとよいと思う。
ひとつ言えることは、氷河と河川のいずれか
一方のみよりは、両方にいる機会がある方が
面白いのではないかということだ。