プラネタリウムの外側


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早瀬耕「プラネタリウムの外側」を読んだ。

内と外は、 フレームで画される。
フレームを設定するのは、 世界への視点を定めるのと同じだ。
フレームを共有することで集団が成立し、 集団が共有することでフレームが維持される。

フレームは、 何度も作られ、壊される。
何重にも張られたフラクタルの、 いったいどこに、自分はいるのだろうか。

フレームの外は、 別のフレームの内になる。
同じフレームの内と外の関係すら、 本来不安定であっても何もおかしくない。

プラネタリウムを 内側から見上げるのと、 天球儀を外側から眺めるのとでは、 世界の見方はどのように違うだろうか。
プラネタリウムの外側や天球儀の内側に、 世界への異なる視点を想像できるだろうか。

問いのループへの収束を 突拍子もない判断で回避し、 特定のフレームを信じ込めるのが、 人間らしいということかもしれない。