伝言ゲーム
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通信手段を制限したり、通信内容の冗長性を
廃したりすると、誤り検出訂正は難しくなる。
伝言ゲームで列の途中にいる人間にとっては、
伝わってきた情報が全てであるということだ。
最近では3DCGや合成音声で実物と遜色のない
ものも見かけるようになりつつあるが、その
遜色のなさの多くは、誤り検出を通常よりも
困難にすることで達成されているように思う。
究極的には、人間による通常どおりの誤り
検出によっても実物と見分けのつかない
情報も生成できるようになるだろう。
むしろ、人間というセンサ同士が通信する
過程において、誤り検出訂正の繰り返しに
よって彫琢された情報のことを、「実物」
や「現実」と呼んでいるだけだ。
誤り検出されないことに気付かない情報の
違いは、その「現実」にとってはどうでも
よいものであるが、誤り検出の特性が異なる
別の「現実」との境界において、その違いが
際立つことがある。
国家間、宗教間、異文化間、リアルとネット、
RealityとXR (VR, MR, AR)、人間と自然。
境界は遍在しており、衝突するまではどの
ようなものかもわからないが、そのような
ものがあり得ると考えておくだけでも、
少しは衝撃が和らぐだろう。