電子書籍
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電子書籍が紙の本を真似しているうちは
電子書籍がメジャになる望みは薄いだろう。
ページをめくるジェスチャに演算を費やすより、
電子書籍でしかできない機能に注力すべきだ。
そのためには、まず人間の方が変わる必要がある。
さらにその前に必要なのは、変わるべき方向を
指し示せるだけの画期的な案を発想できる人材だろう。
・ページという概念がそもそも必要なのか。
ウェブページはスクロール形式になっているものも多い。
逆に、紙の本では、ページという制限を利用した表現も
ありうるだろう(たぶん誰かがやっている)。
スクロール形式では、行間やスクロール速度制限等で
時間の進み方の表現ができる。
例えば、森博嗣のスカイ・クロラシリーズでは、各行の文字数によって
スピード感を出している。
電子書籍では、あるシーンでは文字を自動スクロールすることで
スピード感を表現することもできるだろう。
・文字サイズが可変であることと、段組のデザインの兼ね合い。
アクセシビリティの観点からは、文字サイズを読者が自由に
変えられるのは大事である。
一方で、書籍のデザイナとしては、どこで改行されるか等、
文字サイズの変更によって崩れてしまうデザインもある。
・広告のリアルタイム表示。
広告どころか、書籍の内容すらリアルタイムに更新できる。
ある時間帯、季節にしか現れない文章というのもあってよい。
・同時進行する物語の表現の幅。
人間側の認識的、身体的制限から、一度に読める文章は一つという
人がほとんどであろうが、同時進行している物語の表示の仕方によっては
紙の本では不可能だった同時性の表現ができるかもしれない。