同一


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ダニエル・エヴェレットの「ピダハン」という 本を読んでいる。

まだ半分くらいであるが、科学を通して把握される 世界にとって、ピダハンの人々は極めて特殊だ。
著者によれば、数量詞や色名等、言語学の常識からすれば 言語一般に備わっている単語がなく、音素も圧倒的に少ない。

果たして西欧的な意味での意識をピダハンは もっているのだろうか。
(意識の有無は別に優劣ではなく実装の問題であるから、 例えばLISPとFORTRANの設計思想の違いのようなものだ。)

コンピュータの世界でデータを圧縮する際には、 何をもって同一とするかが重要になる。

認識が入力された情報の圧縮なのだとすれば、 情報のどの部分を同一とみなすかがキーになる。
同一性に関する公理が定まれば抽象が可能になり、 差異から意味を取り出すこともできるようになる。

この「同一性に関する公理」こそが意識のあり方を 決めているのだとすれば、西欧人とピダハンとで 全く異なる世界を認識しているという事態も、 ありえないことではないと考えられる。
ノーム・チョムスキーの言う生成文法というのは、 「同一性に関する公理」がホモ・サピエンスにおいて 一通りであるという意味なのだろうか。
同一性の同一性はどうやって検定したらよいのだろう。