ベーコン


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書籍部でフランシス・ベーコンの「随筆集」を買う。
フランシス・ベーコンの訳書は岩波文庫の青にいくつか 出ているのだが、どれも絶版のようで、仕方なく中古を発注した。

中公クラシックス版「随筆集」についている一ノ瀬正樹氏による冒頭の 解説を読んでいるが、フランシス・ベーコンの経験論の考え方は、先日読んだ 野矢先生の「心という難問」にも共通するところがあるように思われる。

一定の排除をした後には、なにも断定的な結論はできないとして 混乱したままでいるより、自然の解明という仕事を肯定的な仕方で 試みることを知性に許してやる方が有益だ、というのである。
フランシス・ベーコン「随筆集」成田成寿訳 p.18

この400年の間、哲学はこの観点からすると不健康な歩みも してきたように思うが、それもまた必要な寄り道だったというように 回想される日がくるだろうか。