逆転


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正しいからコンセンサスに至るのではない。コンセンサスが 生まれるから、それを正しいと形容するだけだ。
小坂井敏晶「責任という虚構」p.166
悪い行為だから非難されるのではない。我々が非難する行為が 悪と呼ばれるのです。
小坂井敏晶「社会心理学講義」p.129

「正」、「善」、「美」、「真」とは、あるコンセンサスに至っていること。
「不正」とは、正しいことに関するコンセンサスに反すること。
「偽善」とは、善いことに関するコンセンサスをでっちあげること。

では、コンセンサスと判断の逆転にはどんな名称が与えられているか。
それは多分、「支配」のような概念に近い。
絶対的な正義や絶対的な真理を信仰するというのは、そういうことである。

あるいは教育もまた、そういった逆転現象の中で実施されることがほとんどである。
それは良い悪いという判断とは別に、集団の絶え間ない同一化のために ある程度必要なことである。
伝統が、理屈抜きに、ただひたすらに形式を守ることに徹することで生まれる というのも、このあたりと関係があるのではないか。