美と合理性
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構造デザインの大家、坪井善勝先生の言葉に、
真の美は構造的合理性の近傍にある
というものがある。
(ネットで調べると何パターンか出てくる)
真も美も合理性も、ある集団の中でのコンセンサスにより
決まってくるものである。
上の一文の真意は、美と合理性は近いけれども完全には
一致しない、ということだったと思う。
合理性が構造技術者あるいは構造の研究者という集団の
中でのコンセンサスによっておおよそ固まっていく一方で、
建築は、そういった構造の話もあれば、意匠、計画、設備、
音響、等々、様々な集団内あるいは集団間のコンセンサスで
成り立っていく。
美と合理性が近いのは、建築にも構造の要素が絡んでいること、
美と合理性が一致しないのは、構造以外の要素も絡んでいること、
を端的に表している。