XR


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数ある何とかRのうちで、現状最も面白いのは 群を抜いてRealityだと思う。

Augmented Realityは、augmentしようとした 領域の狭さに対して、犠牲になってしまう領域が 広すぎるように感じる。
Virtual Realityは、人体というセンサの極一部 しか活用できていないものが現状ではほとんどで、 そもそも全センサに情報の入力やそこからの フィードバックを受け取れるような装置を作ることを 目的としていないように思われる。

そういう意味では、意味付けや理由付けの負担が 極わずかになるように圧縮した情報のみを提供する ことで、Realityの劣化コピーを作ることがARやVRの 目的なのかもしれない。

Reality自体、意味付けや理由付けという抽象により 圧縮された情報であるから、無意識や意識というのは ある種のVR装置だと言ってもよい。
その圧縮方式は、人体というセンサの特性に適応する かたちで変化してきたはずだ。

言語もまたVR装置の一種であり、それがRealityを ある程度限定したかたちで再現する劣化コピーという 点では、ARやVRと同じである。
そして、言語はそれが劣化コピーであるというまさに その点において、各人体間の特性差を上手く吸収する ことでコミュニケーションを可能にした。
それは人体間でも行われるし、一つの人体の別の時点 同士の間でも、記憶というかたちで行われる。

Realityが第一次の抽象層であることは、人体内での 圧縮過程をスキップしない限り避けられないが、 外部の圧縮過程を追加することで新しい種類の面白さが 出現するのも確かだ。
1000年くらい経ったら、言語と同程度に発達した、 新種の外部圧縮過程が一般化されているだろうか。