境界条件
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何かを設計するという行為には必ず境界条件が伴う。
(「設計する」は「つくる」「描く」等、なんでもよい)
境界条件には空間的なものも、時間的なものもあるが、
時間的なものは初期条件と呼ばれることも多い。
しかし、締切のような時間的境界条件は初期条件という
言葉にマッチしないのでここではまとめて境界条件と呼ぶ。
境界条件のない解は一意的に定まらないことが多いという
意味で、ユニークさに欠ける。これは不定と呼ばれる。
境界条件が確定していくことで解はよりユニークさを増していく。
系の自由度に対して、独立な境界条件の数が上回ると解が
求まらない可能性があり、こちらは不能と呼ばれる。
現実では不能にならないように系や境界条件が変更される。
境界条件がすべて出揃った状態で設計できるのは最もよい状態だ。
系がしっかりと構成されていれば、境界条件を精査するだけで
ほとんど解が一意に定まる。
一方、境界条件が後出しで出てくるのは最悪の状態だ。
その都度求解しなければならないし、解を変更しなくて済むように
境界条件の方を変更し出したらもう収拾がつかない。
おそらく、人間が最後まで担当できるのは、評価基準も含めた
境界条件の設定になる。
境界条件を満たしながら、基準に沿って評価値の高いものを生成したり、
生成されたものを基準に照らして評価するのは容易に機械化可能である。
評価基準や境界条件が変化する場合にも、変化に法則性があったり、
トライアンドエラーを繰り返すことで変化の特徴抽出をすれば、
意味付けの評価機関に落とし込める。
一方で、何を良いものとするかについてのコンセンサスをどこにするかは
時間の都合で理由付けによるしかない。
収束性が悪い、あるいは収束しないためだ。
実作業にかかる時間は自動化することでいくらでも切り詰められる。
その分、境界条件の見極めに時間を割くようでありたい。
p.s.
この文章を打つ際の漢字変換においても、人間が行うのは候補を
絞り込むための境界条件の設定と、正解値の決定のみであり、
変換候補の生成はIMによって自動的に行われる。