評価機関


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人間の意識という評価機関が、生命という秩序性を優先し、 一切の矛盾を排除しようと思ったら、決定的に振る舞うことになる。
その行き着く先は、同一の状況に対しては同一の値を返す写像であり、 それは痴呆と見分けがつかない。

そこから得られる帰結は二通りあり、 一つは、意識は非決定的な評価機関であるべきで、矛盾をはらむのは 必要なことである、というものであり、 もう一つは、決定的な評価機関を得ることこそ生命の目標であり、 意識はその途中で生まれた病気のようなものである、というものである。

究極の評価機関は、すべての判断に関する意味付けされた答えを有しており、 それになるべきか、ならざるべきか、という違いということでよいだろうか。

まあ、いずれにせよ、最大の困難は同一性の判定にあると言ってよい。