自衛


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「君の名は。」製作委員会がtwitterで著作権違反者の 指摘を行っているらしい。

違法アップロード側は摘発される例があったように思うが、 違法ダウンロード側は別件で起訴されたときに追求される ということがほとんどなイメージだ。
法を整備しておくのは大事だが、いざ運用しようとすると 膨大な作業量が発生することや、そもそも通信の秘匿性と バッティングしたりで難しいということなのだろう。
そこで、著作権を保持している主体が自ら指摘するという 事態になっているようだ。
ランサムウェアの件でも感じたことだが、国の対応は常に 後手であり、頼っていられない状況が増えてきているのは 確かだ。

そもそも著作権というのは、人間の理由付けに基づく生産、 あるいはその把握が有限であることに依拠しているように 思われる。
ボルヘスが描いたバベルの図書館のようなものは、書籍に限らず、 音楽、絵画等のほとんどすべての著作権物について、 ディープラーニングを通じた意味付けによって作られ得る。
果たしてバベルの図書館に収蔵されている本には著作権は 担保されるのだろうか。

犯罪と創造は多様性の同義語であり、一枚の硬貨の表裏のようなものです。
小坂井敏晶「社会心理学講義」p.269

という指摘があったが、犯罪も創造も、制御できなくなった 多様性は等しく人間の意識を脅かすのだろう。