平等


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人間機械論」にて効率主義と平等主義の対立の 話が取り上げられていた。

効率主義はアリの社会やファシスト国家に対比され、 ディストピアとみなされている。

各人が予め割り当てられた機能を果たす秩序整然とした 国家は、(中略)人間生活の真の条件である不確定な 未来への不可逆な進展を思わせるものではない。
ノーバート・ウィーナー「人間機械論」p.50

一方、法律とコミュニケーションを取り上げたⅥ章では、


AとBに対し正当であることはAとBの地位が交換された時も やはり正当であるような平等性 同p.110

として、平等が解説されている。
つまり、平等とは交換可能性の別名である。

効率主義がある特定の型を当てはめていく機械的なものだと したとき、平等主義というのは、別の型があり得るとする 人間的なものにもなれるし、エントロピーの増大という 一様な状態への発散にもなれる。

状態間に差があることを認めつつ、その状態が交換可能である という仕方で平等を進めないと、状態間の差を徹底的に廃した 島のない海としての平等へと落ち込んでいくだろう。