探し物
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「こんな技術があるんだけど、何かに使えないか」というときよりも、
「こんなことをしたいんだけど、それに使える技術はないか」という
ときの方が情報収集や考え事をしていて面白い。
「買う理由が値段なら買うな、買わない理由が値段なら買え」
という言葉に通ずるものがある。
openBDの件は、取り敢えずISBNから書誌情報をとるプログラムを書いた。
バーコードリーダーを買うか、Mobile VisionのBarcode APIを使って
Androidアプリを作れば、裏表紙のISBNバーコードをスキャンして
蔵書一覧が作れるが、できるとわかっていることにはあまり食指が
動かない。よっぽど時間ができたらやろう。
本の天にISBNバーコードを転写しておいて、本棚の棚板裏にスキャナを
設置すると、本棚のどこに何の本が置いてあるのかが棚単位どころか
mm単位でわかるし、書誌情報には本のサイズやページ数、表紙画像が
含まれているので、3DCGで本棚を再現することすら可能だ。
そんなこんなで、住宅スケールにおいて非接触式で物の位置を把握する
ためのシステムを妄想していた。
それが実現するとしたら、物に一つ一つ物理タグをつける方式ではなく、
ARデバイスで物を認識する方式になるのかもしれない。
形状、テクスチャ、それが何であるか、場所、時刻等をスキャンし、
3DCGで再現した住宅内に配置しておく。
こんなものを探しているということをシステムに音声で尋ねると、
それに合致するものがARでハイライトされ、目的のものを見つける。
複数人で共有するもの、しないものを区別してシステムを共有する
ことも可能だ。
自宅にあるものくらい、どこに何があるか覚えておくもんだと思うが、
携帯電話を持つようになって電話番号をほぼ覚えなくなったことを
思うと、あながちあり得ない話でもない。
自分で見たものはもう失くすことはなくなるんだろうな。
それでも最後まで残る探し物は、もちろんARデバイスだろう。