一文字目


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駅からの帰り道、ふと百人一首が頭をよぎり、上の句と下の句の 一文字目が同じ句について考えてみた。

家に着くまでの間に「みちのく」「ゆらのと」「あさぼらけう」 「よをこめて」の四首は思い至ったが、全部で七首あった。

陸奥のしのぶのぢずり誰ゆゑに 乱れそめにしわれならなくに 有明のつれなく見えし別れより 暁ばかり憂きものはなし 浅茅生の小野の篠原しのぶれど あまりてなどか人の恋しき 由良の門を渡る舟人かぢをたえ ゆくへも知らぬ恋の道かな 夜をこめて鳥の空音は謀るとも よに逢坂の関は許さじ 朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに あらはれわたる瀬々の網代木 心にもあらでうき世にながらへば 恋しかるべき夜半の月かな