マルセル・ブロイヤー展


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国立近代美術館で開催中のマルセル・ブロイヤー展に 行ってきた。

ちょうど読んでいるティム・インゴルド「ラインズ」の 言葉を借りれば、近代において、外部から軌跡が排除され 糸だけが残ると同時に、軌跡は内部へと回収された。

マルセル・ブロイヤーは、本能に根ざしたものを生み出す ことこそがモダンデザインであるとしたとのことだが、 理性に相当する軌跡を排除し、本能に相当する糸だけを 外部に残すというのはちょうど近代化に符合する。
木材は角材、スチールはパイプとして用いられることによって、 大量生産のラインにのることができ、軌跡は拭い去られる。

マルセル・ブロイヤー展以外に、MOMATコレクションも 観てきたが、結構面白い作品も多かった。
ラインつながりではクレーやカンディンスキーの作品は もちろんだが、加山又造の「春秋波濤」という屏風も 印象に残った。

工芸館の「動物集合」は時間がなくて見れなかったので また今度。