物語の共有
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「人間以外には相関関係と因果関係の区別はつかないんでしょうか」
「特定の順序への信仰みたいなものだからね」
「本当は因果関係なんてないということですか」
「例えば、風が吹けば桶屋が儲かる、は相関と因果のどっちだと思う」
「うーん、ストーリィ的には因果ですが、こじつけですよね」
「多かれ少なかれそういうものだよ」
「ではどうして人間は相関と因果の区別に拘るんでしょうか」
「どの物語を共有するかを決めたいんじゃないかな」
因果関係は、あるかないかというよりも、
あると便利だから想定されるもののように思う。
その想定が理由付けであり、同じ物語を共有する
ことで、同じ集団に属していることを確認する。
とても人間らしい振る舞いだと思う。