愛が重い
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自分はこうだと思うという主張があると、それに同調する
意見もあれば、対立する意見もある。
同調する意見の表明は、そこに一つの集団を作るきっかけ
となる。
対立する意見があったときに、それぞれを尊重するという
のは、ある部分では別の集団に属することを許容すると
いうことだ。
それによって両者が元々共通して含まれている集団が
瓦解するおそれがあるのであれば、対立を解消すること
にも一理ある。
それはつまり、こちら側にいたものを、あちら側にして
しまわないための愛である。
度を越えてこちら側に止めようとするのは正義の押し付け
合いになり、結局は集団を破滅へと追い込む。
要するに、愛が重いのだ。
あちら側をあちら側のままに愛することは可能だろうか。
しかし、こちら側への引き受けを伴わない愛は、結局の
ところ、何でもないものにしかならないように思われる。