天文の世界史


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廣瀬匠「天文の世界史」を読んだ。

「天文」という言葉には「天からのメッセージ」
という意味合いがあります。
廣瀬匠「天文の世界史」p.151

何事にも理由を付けないではいられない人間は、天から やってくる情報にも理由付けしてきた。
冬至を境に復活する太陽のお祝いがクリスマスになり、 土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月が24 mod 7 = 3 から月火水木金土日の曜日順になる。

理由付けであるからには、唯一真なる理由は存在しないと 思われ、「正しい天文学」というのは、広く共有されている というくらいの意味でしかない。

宇宙の空間と時空を巡る思索の歴史は、人類の理解を 超えた現象にとりあえずの「説明」を用意してから、 理解が追いついたときにそれを書き換えるということの 繰り返しであった 同p.234

その繰り返しの果てに「「宇宙の説明」の最終形」にたどり 着くことがあるとしたら、それは意識の天文に対する興味が なくなるときだろう。
「はじめに」で書かれているように、「問い」をつないでいく ことで、天からやってくる情報への理由付けを続けるのが 面白いのだろうと思う。