内科と外科
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医学medicineの語源は、med-(take appropriate measures)、
つまり適切な措置を取ることである。
適切な措置は、傷病によって通常の状態からのズレが大きく
なったことに対するものであり、元々の物理的身体が備えて
いるホメオスタシスの拡張とみなすことができる。
医学の分類の仕方に内科と外科という区分があるが、その
違いについて考えてみると、案外難しい。
病が内科で、傷が外科、とは限らないし、病と傷の区別も
曖昧である。
原因や対処が、化学的なのが内科で、物理学的なのが外科、
というのは合っているのかも不明だし、今度は化学的と
物理学的の違いが問題になる。
内科医の方がブログで取り上げていた
外科は診断が決まった後の技術が勝負だが、内科医は難しい 診断をして、時には診断がつかずに治療をすることもある “内科医と外科医の違い〜内科医の頭の中では〜”
という違いは、医学とはホメオスタシスの拡張であるという
観点からは面白いと思う。
ホメオスタシスには、基準からのズレを検知する機構と、
ズレを解消する機構の両方が必要だが、医学では前者が診断、
後者が治療に相当する。
先の引用は、治療よりも診断の方が難易度が高いのが内科、
その逆が外科、と言い換えられるだろう。
人体に限らず、あるシステムがホメオスタシスを備えるには、
ズレの検知とズレの解消の両方が必要になる。
検知の方は、ディープラーニングのような、理由を必要と
しない判断機構によるサポートが効果的で、解消の方は、
エキスパートシステムのような、理由を必要とする判断機構
によるサポートが効果的であるように思われる。