人間のように泣いたのか?


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森博嗣「人間のように泣いたのか?」を読んだ。

人間の形をしていたり、有機体でできていたり、 血を流したり、汗を流したり、涙を流したり、 理由を気にしたり。
人間というカテゴリの境界は、人間が自分自身と 同じと認めることによって決まっていくため、 どうしても「人間の形」や「有機体」のように、 自己言及が多くなってしまう。
究極的には、「人の人たるは、人を人とす」だ。

予め想定していなかった事態への発作的な応答を、 「泣く」と表現するのであれば、Bサイドの攻撃も、 マガタの一人笑いも、ウグイの涙と同じだろう。
それが「人間のよう」であるかの判断の決め手は、 応答内容に対して自ら理由付けするか否かだろうか。

Wシリーズはこれで完結。
この物語自体が、厨房から出された料理だ。
一流の料理人は、料理が冷めないかを一瞬気にして、 ぼんやりと月夜の空を眺めているだろうか。