諸悪の根源
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超システムの機能不全である老化現象に
唯一の本質的な原因がないことを指して、
多田富雄は「むいてもむいても芯の出ない
ラッキョウの皮のような印象を与える」と
書いていた。
あらゆる存在が可塑的な超システムである
とすれば、唯一の本質的な原因なるものは、
認識することで可塑性を削がれてしまった
超システムの抜け殻にしか含まれない。
「諸悪の根源」という発想は、抜け殻だけを
相手にしている間しか有効でない。
いつか、諸善の根源であった神が死んだのと
同じ意味で、諸悪の根源が死んだと言われる
日が来るだろうか。