ニッポン制服百年史


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弥生美術館で「ニッポン制服百年史」を観てきた。

似通ったもののうち、特定のものにだけ目印がつく ことで、新しい集合が形成される。
ここには構造と装飾の関係が現れているように思う。
差異の導入によって、既存の同質性が解消され、 別の同質性が生じるとき、導入された差異は装飾、 元の同質性の基準は構造と呼ばれる。
装飾だったものは次第に構造となり、いつかまた 次の装飾が現れるまで、同質性は維持される。
それはあたかも生命のようである。

軍服というコンテクストは捨象され、和装の文化、 経済的な都合、耐久性の条件などを反映しながら 「制服」というカテゴリが形成される。
同質なものとして固定化しつつある一方で、 タータンチェックやコギャルファッションなどの 逸脱が時折装飾として導入され、その時々の 通信媒体によって伝搬されながら、空間を超えて 新しい同質性を形成していく。
流行っては廃れる過程の中で淘汰された同質性も、 このような展覧会を通して、時間を超えて束の間 でも生き返るだろう。

一つのuni+かたちformを志向しながらも、固定化 した一に留まることなく、また、いたずらに瓦解 してしまうこともなく、常に変容しながら存続して いく「制服」は、とても生命的な文化だと思う。