文明の距離感
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文明とは、見知らぬ人間同士が間接的に 判断基準を共有することで密集した状態 だと言える。
An At a NOA 2018-06-14 “文明”
距離が生み出す齟齬という問題は、文明化と 表裏一体のように思われる。
An At a NOA 2019-05-29 “犯罪と自然災害”
顔見知りか否かという距離空間においては
遠いにも関わらず、物理的な距離空間での
近接を許容せざるを得ないという状況に、
文明社会ではしばしば遭遇する。
常識という距離空間において近いとみなす
ことでその状況を甘受することが、文明人
には強く求められているようにも感じるが、
そのこと自体が既に問題をはらんでいるの
だと思われる。
パーソナルスペースに不特定多数の対象が
侵入できる状況そのものが恐怖の種である。
一方で、その恐怖の種が狭い共同体を超えた
コミュニケーションを通した創造を促す
ことで、文明の急速な発展を可能にしたと
みることもできる。
文明が、急速な発展のためにその恐怖の種
terrorを必要とする限り、テロリズム
terrorismは文明の不治の病であり続ける
ということなのかもしれない。
情報空間において別の距離空間をつくる
ことで、その不治の病を治すことはできる
だろうか。
しかし、匿名性の高い情報空間でのやり
取りをみるに、距離感があまりに隔たって
いる距離空間を併存させること自体に、
恐怖の種が埋まっているのだと思われる。