日日是好日


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「日日是好日」を観た。

稽古の何たるかが詰まったような作品であった。

字通で「稽」の字を引くと、「神意を考える、かんがえる。卟と通用し、くらべる、うらなう、とう。」とある。考古学の「考える」が体系化された論理による解釈であるのに対し、稽古の「稽える」は身に付けた作法による感応であるように思う。古くから伝わる情報に接するという点は共通していても、考古学と稽古には、語ると示すのような違いがある。学ぶは真似ぶ。習うより慣れろ。

武田先生の「初めに『形』を作っておいて、その入れ物に後から心が入るものなのね」という台詞にある『形』はつまり作法である。稽古を通じて『形』が整い、身体が環境に感応するようになった暮らしこそ、日日是好日なのだろう。