意識の並列化
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@kaoriyaの意識の並列化のツイートに対して
                    @yukihiro_matzが反応している。
@dodox86 @kaoriya 私の個人的な観測だと「ひらめき」とか「体を動かす」とかの低レイヤーはパラレル実行できるけど、意識はひとつしか動作できない気がします。たぶん、脳の意識コアがひとつしかないか、複数意識実行にはリソースが足りないんだと思います。
— Yukihiro Matsumoto (@yukihiro_matz) 2016年9月16日
個人的には、意味付けの回路は並列化できるけど、
                    理由付けの回路は並列化できないという意味で、
                    @yukihiro_matzの意見に賛成である。
                    ただ、それは、おそらくリソース不足ということではなく、
                    理由付け回路は一つであることが、実装上の
                    要件定義になっているのではないかと思う。
理由付け回路が一つであるというのは、判断結果を
                    一つに決めることと同義である。
                    コンセンサスとは、一つに絞ることである。
                    正しさも、現実も、意識も、今も、ここも、わたしも、たった一つで
                    あってくれることで、できる判断があるのである。
                    それを行うために意識をわざわざ実装したのだとすれば、
                    回路を二つ用意することは、ある種のバグである。
                    こういうことを書くと、多重人格者への差別だとかいう、いらん批判を
                    受ける可能性もあるのだが、その状態を統合失調症という病気と
                    みなすのか、意識の多様な在り方の一つと呼ぶのかは一意的でない。
                    意識自体が病気とみなされないのも、それを判断するのが意識だからに
                    過ぎず、別の判断機構がどのように判断するかは一意的でない。
そもそも、多重人格者の内部において、果たして同時に理由付けの
                    回路がはたらく瞬間はあるのだろうか。
                    コンテクストスイッチのように、シングルコアでマルチタスクを
                    こなしているだけなのであれば、回路は一つである。
                    多重人格者内部での会話は、半二重semi duplexなのだろうか、
                    全二重full duplexなのだろうか。大変興味深い。
元のツイートで、@kaoriyaが同時通訳の例を挙げているが、
                    カンデル第一章にあるバイリンガルの早期と後期による活性化領域の
                    違いを考えると、早期バイリンガルは意味付け回路で処理を並列化
                    することで、高速な言語処理を達成しているのかもしれない。
                    だとすれば、言語処理のかなりの部分が理由付けでなく意味付けに
                    基づいているのかもしれない。