細かすぎて伝わらないモノマネ
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「シンゴジラのここがリアル!」というワイドショーの特集を見ていて、要するに世間で言うところの「リアル」ってえのは「細かすぎて伝わらないものまね選手権」なんだな、という思いを抱く
— ふわうさ ⚒ 一汁一菜 (@mannin) 2016年9月7日
リアルさの共通認識が得られたのであれば、細かすぎるかも
しれないけど、伝わってはいるのでは。
そのリアルさがあったからこそ、「シン・ゴジラ」は、多くの人が
自ら体験したことのように語りたがる対象になったのだ。
そもそも、「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」とは、
大量の観察を行った人間だけが行える「意味付けによる模倣」を
披露することで、「理由付けによる模倣」とは一線を画した
リアル感が得られるところが面白く、
リアル感は「伝わる」んだけど、その理屈は「伝えられない」
という意味なんだな、などということに思いを致した。
これって、いわゆる「現実」も同じ仕組みではなかろうか。
すべてが理由付けされた情報というのはおそらく現実感に乏しく、
だから現状のVRはまだまだだと感じられてしまうのかもしれない。
意味付けのレベルでセンサ間(一つの人体の中でも、人体間でも)の
コンセンサスが取れるようになると、より現実になれるのでは。
God is in the detail. (神は細部に宿る) Ludwig Mies van der Rohe
建築学科出身なら誰もが知っている標語だが、改めて解釈してみると、
大いなる原因である神は「現実」の原因でもあり、
「現実」感を支配する意味付けと理由付けの差が最もはっきり出るのが
ディテールである、という理由付けができる、ということなのかもしれない。
注意すべきなのは、ディテールは意味付けによって「現実」感を
生み出すため、それ自体は神=理由付けの終着点ではないことだ。
(ここでの「現実」は「美」「真」等と読み替えてもよい。)
God is the detail.ではなく、God is in the detail.なのである。