自由度


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一つの抽象過程は一つの自由度を生む。
それが同期化される、すなわちコンセンサスが生じることで、 低次元多様体に写像され、次元が低下する。

どのスケールにおいても、複数の抽象過程が存在する。
一つの物理的身体には37.2兆個の細胞があり、日本には 人間の1.3億の物理的身体があり、地球には200個程度の 国家がある。
(人体の細胞数は長らく60兆個という概算値が信じられて きたが、2013年のBianconi et al “An estimation of the number of cells in the human body.”という論文で37.2兆個という 数が提案されたらしい)

コンセンサスが全く無い状態においては、抽象過程の数だけ 自由度が存在することで、次元は正の無限大に発散する。
人間の物理的身体を構成する細胞は、それらが集合として受け取る 情報の次元が三次元になるようにコンセンサスをとることで、 物理的身体という細胞の集合としては、空間というものを 三次元として抽象する。
もし網膜や皮膚から入力される情報を一つに集約するように コンセンサスをとっていたら、空間を一次元として認識することも 可能だっただろう。
走光性のような特定の走性のみに従う生命体は、そのように抽象して いるのかもしれない。

一つの物理的身体にとって三次元として認識される空間は、 本来物理的身体ごとに存在してもよいはずである。
それがユニークなものとして認識されるのは、異なる物理的身体 同士が通信することで、コンセンサスをとるためである。
すなわち、空間の多様性に関する自由度もまた、コンセンサスに よって低下する。
これは、空間自体の自由度(三次元)を下げるという意味ではなく、 無限に存在し得る三次元空間の数が一つ(あるいは少数)に 集約されるという意味である。

時間もまた、心理的身体ごとに固有のものであってもよいが、 異なる心理的身体との通信によってコンセンサスがとられ、 一つのものに集約される。

通信によって生じるコンセンサスは、非同期処理の同期化であり、 それは理由付けに限らず、あらゆるレベルの抽象過程において 生じ得るものである。