大英自然史博物館展
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大英自然史博物館展に行ってきた。
行ったのは平日の午後だったので比較的人は少なく、
目的だったダーウィンの手稿と始祖鳥の化石も
じっくりと眺めることができた。
元になったヴンダーカンマーから博物館に至るまで、
動機としては空間的な隔たりを超えていろいろな
物を蒐集するところにある。
パサージュから百貨店、ショッピングモールへと
至る系列と異なるのは、時間に対する態度だろう。
博物館では時間的な背景が作り出すストーリィが
展示物の価値を生み出しているという意味では、
これらもダイアグラムの一種だとみなせる。
岩石の一部や手書きのメモにストーリィが付与される
ことで、それらは貴重な化石や手稿となり得る。
ストーリィを生み出す人間とストーリィを読み解く
人間の両方の高いリテラシーが、この博物館という
仕組みを支えているのである。
展示の最後にはデジタルライブラリー化の試みも
披露されていた。
ストーリィベースで価値が担保されるのであれば、
人間が移動することなく鑑賞できることにも
ある程度の利点はある。
しかし、展示品がダイアグラムであるからこそ、
それを物理的身体のセンサで直に知覚することで、
同時性や誤読可能性を伴いながら受容することも
大事なように思う。