エンドレス・ポエトリー
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アレハンドロ・ホドロフスキー「エンドレス・ポエトリー」を観た。
思い出とは、色のついた記憶である。
その色は、色彩であり、脚色である。
思い出すたびに、思い出は理由付けされることで補強される。
An At a NOA 2016-10-01 “思い出”
「思い出は全部記憶しているけどね、記憶は全部は思い出せないんだ」
森博嗣「すべてがFになる」p.289
情報を送受信するたびに更新される記憶が思い出になる過程において、
どのような色がつけられるかが、個を特定するよすがとなる。
彩りの与え方には他人や時代、場所といった外部の影響も含まれるが、
それと同時に自らによる彩りも含まれる。
その相互作用の中にあることが生きることであり、外部からの一方的な
彩りに身を任せるとしたら、それはもはや死んだも同然である。
たとえこの世が無常であり、すべてが忘却されるとしても、生と死の
葛藤の中で、自ら発光する蝶であれ。
お前は一匹の蝶になる、自ら発光する蝶に。
アレハンドロ・ホドロフスキー「エンドレス・ポエトリー」