COVID-19と移動


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An At a NOA 2011-12-13 “nowhere man
An At a NOA 2014-11-14 “どこでもドアの幻影
An At a NOA 2016-01-30 “移動
An At a NOA 2016-06-30 “定住

COVID-19の影響で世界中の20億人超が外出制限されるなど、人間の移動が一時的に滞った結果、温室効果ガスの排出量は減り、ヴェネチアの運河は透き通った。

「人間は本来環境破壊生物であり、その環境破壊能力こそが人間の繁栄をもたらした。しかし、環境を長く維持するにはエネルギーの制御が必要であり、そのためには人間は移動すべきではない。結果として、人間同士の物理的なアクセスは宝石のような贅沢品になるだろう」
「すべてがFになる」で真賀田四季と犀川創平が口を揃えて言っていた移動の問題は、疫病の世界的流行によって現実化し始めている。

直接性の神話に支えられた社会環境が大いに損害を被る一方で、自然環境の持続性が回復するということになったとき、人間はどちらの環境破壊を取るだろうか。慣性のままに自然環境破壊が優勢だったところに、COVID-19による社会環境破壊が突然に訪れたことで、社会環境を作り変えながら自然環境破壊の速度を緩めるという選択肢も取りやすくなってきた。

  • actual: 人体というセンサ群に入力したとき、不整合や欠損が検出されないというデータセットの性質(本来は逆で、ある特定の分布を有するデータセットに対して適合するように人体が調整されており、その特定の分布を有することをactualと形容すべきだが)
  • virtual: データ量を減らしてactualの一部の性質のみを再現するというデータセットの性質(データ量を増やせばvirtualは限りなくactualに近づき得るが、その分効率は犠牲になる)
  • real: 複数の人体センサが同一の情報を抽象するとき、元になる単一のデータセットがあること(ソースの確からしさ)
  • imaginary: 複数の人体センサが同一の情報を抽象するとき、元になる単一のデータセットがないこと(imaginaryの原義は*aim- = to copyであるが、複製されているのは抽象結果である情報であり、元となるデータセットが抜け落ちている)

とすれば、直接性の神話とはつまり、realを維持するにはactualなデータ通信が必要であるという信仰のことである。virtualのデータ量が少ないと、確かにrealを構築するのは難しくなるが、限られた量のデータを元にrealityを維持することに慣れることができれば、エネルギー消費の観点からは効率的に社会環境を維持できるようになる。その方向転換ができるかの大きな岐路に立っている。